A-TEC

A-TECギャラリー モーターファン必見!

           

   創業は1906年。米国、ドイツなどから自動車を輸入・販売していたロールスと自動車産業への野望を抱いていた電機メーカー、ロイスが合併して誕生した。最初から貴族向けの高級車に特化したクルマ作りを行い、そのモデルはウィンザー王家をはじめ、貴族たちの喝采を浴びた。自動車製造の一方で14年からは航空機用のエンジン生産も開始し、その後長い間、同社の主要事業となった。32年にはベントレーを買収し、以後はロールスロイスとベントレーはフロアパネルを共用する兄弟車となる。大戦間から第2次大戦にかけては優秀な航空機エンジンを次つぎに開発し、連合軍の勝利に大いに貢献した。戦後、自動車部門は好調だったが、航空機部門が赤字に転落して経営危機が続き、71年に倒産。航空機部門は国営会社となり、自動車部門は独立して新体制で再生を目指した。80年代に入るとアストンマーチンと同様、貴族社会の崩壊とともに経営危機に陥り、BMWとの提携を経て98年にフォルクスワーゲンによって買収。ロールスロイスの商標使用権はBMWにあり、今後はBMW車をベースに新型車が作られる見込みだ。ロールスロイスはいま、その性格を大きく転換することを余儀なくされている。

  イギリスでは、ロールスロイスはまさに“イギリスの魂”ともいえる存在だった。30年代から90年までにわずか約400台が生産されたフルサイズリムジン、『ファントム』は間違いなく世界最高のステイタスを持つリムジンであったし、第2次世界大戦時、ドイツがイギリスに大空襲を行ったバトル・オブ・ブリテンでイギリスを守り抜いた空軍戦闘機、ハリケーンやスピットファイアは、すべてロールスロイス・エンジンを搭載していた。98年、同社が身売りを余儀なくされたとき、株主である貴族たちからは「イギリスをドイツから守ったロールスを、ドイツに売り渡すのか」と、怒号が飛んだことからも、イギリス人の同社への思いの深さがわかる。

 

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